震災日記より
寺田寅彦
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)子供等と志村《しむら》の家へ行った。
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)後|驟雨《しゅうう》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から1字上げ](昭和十年十月)
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)みし/\
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大正十二年八月二十四日 曇、後|驟雨《しゅうう》
子供等と志村《しむら》の家へ行った。崖下の田圃路《たんぼみち》で南蛮ぎせるという寄生植物を沢山採集した。加藤首相|痼疾《こしつ》急変して薨去《こうきょ》。
八月二十五日 晴
日本橋で散弾二|斤《きん》買う。ランプの台に入れるため。
八月二十六日 曇、夕方雷雨
月蝕《げっしょく》雨で見えず。夕方珍しい電光 Rocket lightning が西から天頂へかけての空に見えた。丁度紙テープを投げるように西から東へ延びて行くのであった。一同で見物する。この歳になるまでこんなお光りは見たことがないと母上が云う。
八月二十七日 晴
志村の家で泊る。珍
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