自由画稿
寺田寅彦
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)下手《へた》な
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)身辺|瑣事《さじ》の記
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)尾※[#「骨+低のつくり」、第3水準1−94−21]骨
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ポペン/\/\
−−
はしがき
[#ここから2字下げ]
これからしばらく続けて筆を執ろうとする随筆断片の一集団に前もって総括的な題をつけようとすると存外むつかしい。書いてゆくうちに何を書くことになるかもわからないのに、もし初めに下手《へた》な題をつけておくとあとになってその題に気兼ねして書きたいことが自在に書けなくなるという恐れがある。それだから、いつもは、題などはつけないで書きたいことをおしまいまで書いてしまって、なんべんも読み返して手を入れた上で、いよいよ最後に題をきめて冒頭に書き入れることにしているのである。しかし今度は同じ題
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