電と名づける現象で、この時の光の色を分析してみると普通の電光とちがう事が分る。稲妻が光る度に稲が千石ずつ実るという云い伝えがあるが、どういう処から割り出したものであろう。近頃海外では農芸に電気を応用する事がようやく盛んになろうとしているから、稲妻の伝説と何か故事《こじ》つけが出来そうである。[#地から1字上げ](明治四十一年九月十二日『東京朝日新聞』)
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         二

      一葉《ひとは》

『淮南子《えなんじ》』には一葉落而知天下秋とあるが、植物学者に聞いてみると、木の葉が夏過ぎて落ち散るのは葉柄《ようへい》の根元の処にコルク質の薄い層が出来てそこだけ脆くなるから少しの風にでも誘われて天下の秋を示すものだそうだ。またある人の話によると、落葉樹の葉の中で遅く発育したのがまだ十分成熟しないうちに早い霜に痛んでしまうと、それきり発育が止まって、コルク質の出来る間がなく、梢に枯れたまま淋しい趣を見せるという事である。[#地から1字上げ](明治四十一年九月十三日『東京朝日新聞』)
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         三

      露

 夜地上の草木土石が冷
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