も入れておく。
朝鮮語「モーリ(頭)」は「つむり」の「むり」と比較される。「つ」はわからない。蒙古《もうこ》カルカ語の tologai はタミール語の 〔tala:i〕 に通じる。
「かしら」に似たものがちょっと見つからなかった。ところがLの capillus はもとは cap(頭)の dim. だそうで caput や、ギリシアの「ケファレ」も同じものである。そうして、この「カピラ」は「毛髪」の意に使われている。これが「カヒラ」を経て「カシラ」になりうるのである。言海によると「カシラ」は「髪」の意にも使われているからちょうど勘定が合うのである。そうすると「かしら」も結局「かむり」「かぶり」の群に属する。
[#地から2字上げ](昭和八年八月、鉄塔)
底本:「寺田寅彦全集 第七巻」岩波書店
1961(昭和36)年4月7日第1刷発行
初出:「鉄塔」
1932(昭和7)年12月1日
1933(昭和8)年4月1日、7月1日、8月1日
※初出時の署名は「吉村冬彦」です。
入力:Cyobirin
校正:松永正敏
2006年7月13日作成
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