く調べてみるとなかなか六ヶしいことが多く、世界中の学者がよっても解決の出来ないようなことが少なくはないのである。たとえばビーカーをアルコールランプで下から熱すると水蒸気が出てそれがビーカーの外側にあたって冷却され、水粒がビーカーに附着する。これを見て児童はどうして出来るかと質問したときに、教師がそれをいいかげんに答えるのはいうまでもなく悪いが、これを知っている場合に、何でもないことだ、アルコールの燃える際に生ずる水蒸気がビーカーにあたって露になって着くのだといって、あまり無造作に片づけてしまうのは面白くないと思う。この時でも水蒸気が露のごとく水滴になるには何か塵のごとき微細ないわゆる凝縮核が必要であるし、ガラスの表面の性質によってつきかたにいろいろ異なった状態があったり、その他いろいろこの水に聯関した面白い問題があるのである。これらのことを全く考えないでいて、ただ一口ですべての現象を説明し得るというような感じを起させるのはよくない。そこでこういう場合は、いろいろ六ヶしいことがあるが、簡単に説明すればこうだ、皆さんこの外どういうことがあるか考えて御覧なさいといった風にして、彼等の求知心を
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