うして特に女子供がたとえようもなく美しく愛らしく見えてくる。今まで堅く冷たくすっかり凍結していた自分の中の人間らしい血潮が急に雪解けのように解けて流れて全身をめぐり始めるような気がするのである。
 学者であって、しかも同時に人間であることがいかにむつかしいものかということをつくづく考えさせられるのは、そういう時である。
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 血液の化学成分は驚くべき精密さをもって恒同に保たれている。ちょっと労働でもして血液中の水素イオン濃度がわずかに一億分一だけ増すとすぐ呼吸が忙《せわ》しくなって血液中の炭酸ガスを洗滌《せんじょう》させる。
 人間の社会もこのくらい有機的になって、全系統の生理に有害なものを自働的に駆逐《くちく》するような機巧《きこう》が具わっているといいと思う。
 現在でもある程度まではすでにそうなっているかもしれない。しかしこの調節作用を阻害するような病気があまりに多く、それに対する抵抗力があまりに弱いのではないかと思われる。
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 ある日電車で新宿の通りを通過しながら街路をながめていると、両側の人道にほとんど軒並
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