であり、サンスクリットの語根 Ush(燃える)ともつながるとある。アイスランドの火山 Askja は同国古語の Aska(灰)であるとすれば、これは英語の ashes(灰)と親類だそうである。そこで今度は試みに「灰」を意味する語を物色してみると、サンスクリットに Bhasman, Bhuti があるが、この前者は Asama 後者は Huti(Fuzi) を思わせる。頭の子音 Bh と B をドロップさせるのがおもしろい。一方でわが国に Buson という消火山のあるのはなおおもしろい。白山《はくさん》の一峰を Bessan というのもこれに類する。これもBを除去すればアソ型となるのである。またこれにつづいて考えることは Rausu, Rausi, Rasyowa のアイヌ系のものから始めのRを除き Lesson, Lassen からLを取るとアソ型に接近する。これも興味がある。マレイ語から語頭のLを除くと日本語に似るものの多い事はすでに先覚者も注意した事である。その他にも頭の子音を除いてアソ型になるもの Kasa, Daisen, Tyausu, Nasu があることに注意したい。し
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