ge the nature of〕
The whole wide world, and all things needs must take
One status after other, nor aught persists[#「One status after other」の部分はイタリック体]
For ever like itself. ………………………
[#ここで字下げ終わり]
と歌っている。これは、ある意味から、自然方則の変遷を考えているものとも見られる。科学の方則ははたして永劫《えいごう》不変のものであるか。これはきわめてまれにしか持ち出されなかった問題である。私の知る限りではただアンリー・ポアンカレーがその晩年のエッセー(7)[#「(7)」は注釈番号]において論じたものである。これはもちろんわれわれの科学だけからは決定し難いものであるが、しかしまた科学者の全然忘却してはならない問題であろう。
 最初のうちはいろいろの片輪者や化け物が生まれた。しかしそれらは栄養生殖に不適当であるためにまもなく絶滅したと言って、ここに明らかに「適者生存の理」を述べている。残存し繁栄した種族
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