ずつ増すことによって一つの物質から他の物質に移って行く。すなわち原子数《アトミックナンバー》を増して行く。もしも元素の種類が無限に多様にあるとすれば、原子数、あるいは原子量の無限大な物質原子が存在する事になるはずである。しかし実際にそんなものはない。すなわち原子の「形」の種類には制限があるのである。
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……these primal germs
Vary yet only with finite tale of shapes.[#「finite tale of shapes」の部分はイタリック体]
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この言葉が現代の原子模型をいかに適切に表わすものであるか。また言う
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…………………………
Betwixt the two extremes: the things create
Must differ, therefore, by a finite change,
…………………………
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これは寒と熱との間の段階の素量的推移を述べた言葉で、言わば温度の素量説として述べた言葉である。しかしこれはま
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