かし、今一番婦人にとって必要な事は、もっと意志を強くする事です。男に対してもっと理知的になる事です。私は今の日本の婦人達にいちばん必要なものは理知だと思います。日本ばかりではない、全世界の女たちにとってもそれは必要以上の必要ですが、ことに日本の若い婦人達のセンティメンタリズムは、いつまでたっても、女達自身を幸福にする事は出来ません。
どんな一身上の過失も、自分の意志次第で立派な試錬になります。過失はただ、恥じたり悲しんだりするのみすべきではありません。私共はむしろそんな無用な事は止めにして、その過失に対してもっと立派な研究的態度をとる事が必要です。そしてその時に私共はそこから無限の力強い教訓を受ける事が出来るでしょう。
底本:「日本の名随筆47 惑」作品社
1986(昭和61)年9月25日第1刷発行
1991(平成3)年4月25日第8刷発行
底本の親本:「伊藤野枝全集 上巻」学芸書林
1970(昭和45)年発行
入力:渡邉つよし
校正:門田裕志
2002年11月12日作成
青空文庫作成ファイル:
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