た。
「兄貴、待ってくれ」
「なんだ」
「兄貴一人で行くのンか」
「当りきや。心配するな」
 そう言ったかと思うと、豹吉はぱっと駈けだして行った。

 ノッポの一徳――豹吉の大股では、梅田新道より中之島公園まで、五分もかからなかった。
「豹吉のやつ、臆れて、よう来ないじゃないか」
 という気持を、一分長く相手に抱かせることは、十年自分の寿命を縮めるのと同じくらい、豹吉にとっては辛かったのだ。
 それほど、自尊心が強かったのだ。いや、自尊心以外に、何がこの男に残っているだろうか。
 だから、中之島公園の暗がりの中を一息に、図書館の前まで駈けつけた時、自分の到着を待っていたのは千日前の喫茶店の前で、自分を掏ろうとしたあの間抜けの掏摸一人ではなく、十数名に及ぶ隼団の団員だと判ると、豹吉は思わずにやりとしたくらい、ゾクゾグとうれしかった。
 いわば、向う見ずだといってもいい。
「豹吉、よう来た。用はきかなくても、判ってるやろ」
「うん」
 とうなずいた途端、豹吉はぐるりと取り巻かれてしまった。
 豹吉はその一人一人を見廻しながら急にぷっと噴き出した。
「何がおかしい」
「ようも、これだけ不細工
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