て七、八杯続けざまに飲んだが、いつも吐き出したいようなにがさだった。たにし[#「たにし」に傍点]をいくら口の中に入れてもそのにがさは消えなかった。たぶん俺は変な顔をしているだろうと、豹一はそれを誤魔化すように、
「喧しい奴らだ」
と言いながら、手を伸ばして赤井の煙草を一本抜きとり、吸ったが、それで一層胸が悪くなった。
(あいつらでも酒が飲めるんだぞ! それだのにお前はなんてだらしが無いんだ? これ位の酒に胸が悪くなるなんて)
ふらふらする頭を傾けて、騒いでいる連中の方をちらと見た途端、一人の生徒が、
「おい、なんだと? 先輩だ?」と呶鳴りながら席を立って行くのが眼にはいった。
「そうだ、僕は先輩だよ」四十位の洋服を着た、貧弱な男がおどおどした容子でそう言った。
「じゃあ、何期生だ?」その生徒は昂然とズボンに手を突っ込んだ儘言った。男はすっかり狼狽して、
「先輩だよ。先輩といったのが何が悪い?」
「何期生か言って見ろ!」
返事はなかった。恐らくその男は騒いでいる三高生の機嫌を取るために、「しっかりやれ! 諸君、僕は先輩だよ」とかなんとか言ったのに違いないと、豹一は咄嗟に判断して、馬
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