て、蒼ぐろい皮膚を痛々しく見せていた。唇に真赤に口紅がついていたが、それが一層みすぼらしく見えた。好みのわるい小さなマフラを、羽織の紐の下へ通して掛けていた。
豹一はふと、
(ショールを買ってやろう)と、思った。豹一は友子と結婚した。
谷町九丁目の路次裏に二階を借りて、豹一は毎朝新聞社へ出掛けた。
その年の秋、豹一は見習記者から一人前の記者に昇進した。従って、五円昇給した。友子はそれを機会に、豹一に頭髪を伸ばすことをすすめた。
豹一の頭髪が漸く七三にわけられるようになった頃、友子は男の子を産んだ。産気づいたことが、母親の声で新聞社へ電話された。
豹一は火事場に駈けつけるような恰好で、飛んで帰った。産婆が来ていた。
階下の台所を借りて湯をわかしていた母親は、豹一の顔を見るなり、
「はよ、二階へ行ったりイ。両方の肩をしっかり持ってたるんやぜ」と、言った。
豹一は友子の枕元に坐って、友子の肩を掴んだ。友子は、苦しそうに、うん、うん、うなっていたが、たまりかねたのか、豆絞の手拭をぎりぎりと噛み出した。
陣痛がはじまっていたのだ。友子の眼のふちは不気味なほど黝んでいた。豹一は、じ
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