っと泣きだした。
「堪忍や。堪忍や」
その声に、〆団治がのそっとはいって来て、
「他あやん、お前なに泣かしてるねん?」
「灸[#「灸」は底本では「炙」となっている]すえたろと思たら、お前、泣きだしよったんや」
「当り前や。どの世界にお前、灸[#「灸」は底本では「炙」となっている]すえられて、泣かん子があるかい。大人のわいでも涙出るがな、だいいちまた、すえるにことかいて灸[#「灸」は底本では「炙」となっている]すえる奴があるかい」
「ほな、なにをすえたら良えねん?」
「さいな」
〆団治はちょっと考えて、
「――阿呆! 嬲りな。だいたいおまはんは、人の背中ちゅうもんを粗末にするくせがあっていかん。男のおまはんなら、背中になにがついてても良えとせえ。しかし、女の子の背中に灸[#「灸」は底本では「炙」となっている]の跡つけてみイ、年頃になって、どない恨まれるか判れへんぜ。難儀な男やなあ」
「そない言うたかて、お前、まあ、聴いてくれ、笹原の小伜も古着屋の子も、みな優等になってんのに、この子はなんにも褒美もろて来よれへんねん。こんな不甲斐性者《がしんたれ》あるやろか」
「そない皆褒美もろたら、
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