って、毎日友人の間を歴訪して遊んでいました。父の椿岳が油絵を教《おそわ》ったのは、横浜にいましたワグマン[#「ワグマン」に傍点]という人で、この人の油絵は山城宇治の万碧楼菊屋という茶屋に残っています。このワグマン[#「ワグマン」に傍点]という人も奇人で、手を出して雀を呼ぶと、鳥が懐《なつ》いて手に止りに来たというような人柄でした。ポンチ画なども描いて、今僕の覚えていて面白かったと思うのは、ポストの口に蜘蛛《くも》の巣の張っている処の画などがありました。[#地から1字上げ](明治四十二年六月『趣味』第四巻第六号)
底本:「梵雲庵雑話」岩波文庫、岩波書店
1999(平成11)年8月18日第1刷発行
入力:小林繁雄
校正:門田裕志
2003年2月9日作成
青空文庫作成ファイル:
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