活動写真
淡島寒月
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)赴《おもむ》いて
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)東|印度《インド》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から1字上げ](大正六年十二月『趣味之友』第二十四号)
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)芽出《めで》たし/\
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日本の活動写真界の益々進歩隆盛に赴《おもむ》いて来るのは、私のような大の活動写真好きにとっては誠に喜ばしい事である。私は日本製のものは嫌いで見ないから一向《いっこう》知らないが、帝国館や電気館あるいはキネマ倶楽部などの外国物専門の館へは、大概《たいがい》欠かさず見に行く。しかして回を追って、筋の上にも撮影法の上にも、あらゆる点において進歩しつつあるのを見るにつけて、活動写真も茲《ここ》十年ほどの間に急速の進歩をしたものだと感心せずにはおられない。
一番初め錦輝館で、そもそも活動写真というものを興行した事がある。その時は、海岸へ波が打上げる所だとか、犬が走る所だとかいったような
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