は風俗として非常に趣味あるものであるが、とかくに不鮮明なのが遺憾である。それからかつて「キネマトスコープ」即ち蓄音機《ちくおんき》応用の活動写真が、米国のエヂソン会社に依って我が国へ輸入された事があった。これは蓄音機の関係から、総て短尺物で、「ドラマ」を主としていて、今日流行しているような長いものはなかったが、これが追々《おいおい》進歩発達したならば、頗る面白いと思っていた所、ついそのままで姿を隠してしまったのは残念である。しかし米国エヂソン社では、更《さ》らに研究して、更らに進歩させんとしているに相違ないと思うのである。
[#地から1字上げ](大正六年十二月『趣味之友』第二十四号)
底本:「梵雲庵雑話」岩波文庫、岩波書店
1999(平成11)年8月18日第1刷発行
入力:小林繁雄
校正:門田裕志
2003年2月9日作成
2003年5月11日修正
青空文庫作成ファイル:
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