《なん》の權威《けんゐ》あつて、『春《はる》短《みじか》し何《なに》に不滅《ふめつ》の命《いのち》ぞと』云々《うん/\》と歌《うた》ふ人《ひと》の自由《じいう》に干渉《かんせふ》し得《う》るぞ。『若《わか》い時《とき》は二|度《ど》はない』と稱《しよう》してあらゆる肉慾《にくよく》を恣《ほしい》まゝにせんとする青年男女《せいねんだんぢよ》の自由《じいう》に干渉《かんせふ》し得《う》るぞ。
 内山君《うちやまくん》足下《そくか》、先《ま》づ此位《このくらゐ》にして置《お》かう。さて斯《かく》の如《ごと》くに僕《ぼく》は戀《こひ》其物《そのもの》に隨喜《ずゐき》した。これは失戀《しつれん》の賜《たまもの》かも知《し》れない。明後日《みやうごにち》は僕《ぼく》は歸京《きゝやう》する。
 小田原《をだはら》を通《とほ》る時《とき》、僕《ぼく》は如何《どん》な感《かん》があるだらう。
[#地から2字上げ]小山生



底本:「定本 国木田独歩全集 第二巻」学習研究社
   1964(昭和39)年7月1日初版発行
   1978(昭和53)年3月1日増訂版発行
   1995(平成7)年7月3日増補版発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:鈴木厚司
校正:mayu
2001年11月7日公開
2004年7月2日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全7ページ中7ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
国木田 独歩 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング