と、『佛祖歴代通載』卷三十三に載する所の『辯僞録』中に散見する『化胡經』――正しくは『老子化胡成佛經』ともいふ――とを對照すると、部分的には同一の文句も見えるが、全體としては同一でない樣に思はれる。蒙古時代の『化胡經』は、恐らく唐代の『化胡經』の諸書に散見して居るものを※[#「綴」の「糸」に代えて「てへん」、264−8]拾しつつ、任意添加したものであるまいか。敦煌發見の『化胡經』の殘卷と、蒙古時代の『化胡經』に就いては、他日機會を得ば、更に攻究したいと思ふ。
[#地から3字上げ](明治四十三年十二月『藝文』第一年第九號所載)
底本:「桑原隲藏全集 第一卷 東洋史説苑」岩波書店
1968(昭和43)年2月13日発行
初出:「藝文 第一年第九號」
1910(明治43)年12月
入力:はまなかひとし
校正:米田進
2003年4月1日作成
2004年2月22日修正
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