班超の部下は、この李邑を捕へて讒言の復讐をなさんことを勸めたが、班超は「内省不[#レ]疚。何※[#「血+おおざと」、第4水準2−88−4][#二]人言[#一]」とて、李邑をよく待遇した。かかる度量あればこそよく人和を得て偉功を奏し得たのであらう。
 班超に就いて尚ほ記憶すべきことは彼の一門に人物の多いことである。男といはず、女といはず、彼の一門には人物が多い。かく人物揃ひの一門は世に儔《たぐひ》稀であらうと思ふ。其略系は次の如くである。(姓名の右側に○を施してある者は文に傑ぐれ、△を施したのは武に秀でた人である。)
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┌班※[#「女+捷のつくり」、第4水準2−5−61]※[#「女+予」、第3水準1−15−77][#「※[#「女+捷のつくり」、第4水準2−5−61]※[#「女+予」、第3水準1−15−77]」に白丸傍点]
└班穉[#「班穉」に白丸傍点]―班彪[#「班彪」に白丸傍点]┬班固[#「班固」に白丸傍点]
      ├班超[#「班超」に白三角傍点]―班勇[#「班勇」に白三角傍点]
      └班昭[#「班昭」に白丸傍点](曹大家)
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