に二十世紀の軍隊であるが、その精神や素質からいへば、九百年前その儘の軍隊といはねばならぬ。かかる外形と内質との懸隔は、必ずしも軍隊の一方面のみに限らぬ樣に思ふ。そこに民國の最大弱點がないであらうか。吾が輩は近年喧傳されつつある支那人の覺醒の眞實ならんことを切望するものであるが、眞實の覺醒は今少しく根本的精神的であつてほしい。かかる根本的精神的の覺醒こそ、日支兩國共通の一大幸福と思ふ。(大正十四年十二月六日)
[#地から3字上げ](大正十五年一月『外交時報』第四十三卷第一號所載)
底本:「桑原隲藏全集 第一卷 東洋史説苑」岩波書店
1968(昭和43)年2月13日初版発行
初出:「外交時報 第四十三巻第一号」
1926(大正15)年1月
入力:はまなかひとし
校正:米田進
2003年4月1日作成
2004年2月21日修正
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