は)死刑に處せられる。泥棒及び刺客達(assassins)も同一の罰を受ける。(此等の)死刑犯罪者は次の如き方法で、刑を執行される。
[#ここで字下げ終わり]
となつて居る。
以上が『印度支那物語』中に見えて居る、支那人の Cannibalism に關する記事のすべてである。この物語を佛譯したフランスの Reinaud は、この記事に疑惑を挾み、當時支那は紛亂を極めて、殆ど無政府ともいふべき時代であつたから、或は一時的現象として、かかる蠻風が存在したかも知れぬが、恐らくはマホメット教徒――〔Abu^ Zayd〕――訛傳で、事實に非ざるべしと解釋して居る(Relation des Voyages. Tome II, pp. 41−42. Note 139)。併しこは Reinaud が、支那に古代から食人肉の風習が存在し、殊にこの物語の時代、即ち唐末に於て、この蠻風が尤も廣く尤も盛に流行した事實を知らざる故で、Solayman や 〔Abu^ Zayd〕 の所傳には、何等誤謬がないのである。
二
支那人は世界に誇負すべき悠遠なる文化を有せるに拘らず、彼等は古代か
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