れから篩を持つて行きます。其篩は他國へ行つて、水の惡い所では泥水を掬つて泥を取つて後の水を飮む爲に、即ち水漉の用に供する爲に、其篩を持つて行きます。それから鍵繩を持つて居ります。鍵繩は城へ登るとき必要でありますから持つて居る。それから團隊として天幕を持つて居ります。其外には皮の袋を持つて居る。此皮の袋といふのが種々な場合に必要があるのです。それから石を投げる器械。支那人は※[#「石+駮」、第3水準1−89−16]といふ字を用ゐますが日本の撥釣瓶《はねつるべ》みたやうな仕掛けで大きな石をそれで撥て、城の所へどんと石を投げる。今日で言ふ攻城砲の代りに石を投げる器械、即ち※[#「石+駮」、第3水準1−89−16]を持つて居る。それからもう一つは石油を投げる。石油の壺を投げる器械があります。今日で言つたら爆裂彈の代りです。石油を一杯詰めて城の中へ投げる。さうすると向ふへ行つてぽんと彈くです。それを持つて居りますし、それから石を入れる袋を持つて居ります。是れは城の隍《ほり》を埋める時に用ゐます。其外に廣い梯子を用意します。それだけは大抵持つて居ります。
 愈※[#二の字点、1−2−22]戰爭を開
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