りの由に候
[#ここで字下げ終わり]
水海道から鬼怒川すりあひの渡しを西へ越えた二十一人は、飯沼の弘經寺へ押入|古間木《ふるまぎ》へ通り、倉持の杉山を經て鴻山で二手に別れ、十一人は芦ヶ谷を燒いて平塚に移り、又々放火、沼を渡つてから行方不明となつた。一組は國生に出たが、亦林中に沒し去つた。
[#ここから1字下げ]
昨九日晝頃火急の義にて手配不行屆旁漸く一人突殺申候門前を通行致候浪賊十人位山林へ逃込候を村々人足繰出し山搜し致候得共見當り不申昨十日沓掛邊より沼縁不殘村人足罷出山林を押し清水頭と申山にて一人突留昨日小堤にて七人生捕稻尾にて一人突殺し當村にて二人突殺し蛇池にて一人生捕逆井村にて一人突留仁連村にて一人生捕都合十四人御地の振合に引比候而はまだ/\愚かの事に候
右書面認候内又々一人召捕候
[#ここで字下げ終わり]
突留突殺し[#「突留突殺し」に傍点]が大概竹槍である。嘗つて民間の財物を強奪し、又筑波山集屯の黨に加はりし者は、允許を待たずして死罪に處すべしとの命令だから、見ず知らずの旅人や、道具の新らしい棒天振などは、容赦なく斬られ殺されてゐる。
五
西岡
前へ
次へ
全15ページ中12ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
横瀬 夜雨 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング