買収せんと努力している。而して、敵手との闘争に於ける一切の偶発事に対して独占団体の成功を保証するものは、独り植民地あるのみである。」(レニン)だから、資本家は、「植民地の征服を熱望する。」そうして、「金融資本と、それに相応する国際政策とは、結局世界の経済的政治的分割のための強国間の闘争をもたらすことになる。」
 これが即ち帝国主義××である。そうして、広大な植民地と市場を独占した資本家は、自分では何等働かずに、搾取によって寄生的な生活をする。「資本主義は、極く少数の特に富有で強力な国家を極端まで押しやり、それらの少数国家は、世界住民の約十分ノ一か、多く見積って高々五分ノ一しか擁しないに拘らず、単なる『利札切り』で全世界を掠奪しているのである。」(レニン)
 だから××××戦争は、掠奪者と掠奪者の戦争であり、泥棒と泥棒の喧嘩である。その泥棒に隷属している「植民地の住民は牛か馬のように扱われる。彼等は、種々様々な方法によって搾取される。資本輸出、租借、商品販売の場合の欺瞞、支配的国民の下に隷従させらるゝこと等によって。」(レニン)
 資本家は、国内の労働者から搾取した利潤以外に、こうして、
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