板ばさみ
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov
森林太郎訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)周囲《まはり》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)数日|前《ぜん》に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「目+匡」、第3水準1−88−81]《まぶた》の
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ちら/\する
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
プラトン・アレクセエヰツチユ・セレダは床の中でぢつとしてゐる。死んでゐるかと思はれる程である。鼻は尖つて、干からびた顔の皮は紙のやうになつて、深く陥つた、周囲《まはり》の輪廓のはつきりしてゐる眼窩《がんくわ》は、上下《うえした》の瞼が合はないので、狭い隙間を露《あらは》してゐる。その隙間から、これが死だと云ふやうに、濁つた、どろんとした、硝子《ガラス》めいた眼球《めだま》が見える。
室内は殆ど真暗である。薄板を
次へ
全35ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
チリコフ オイゲン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング