Aレクサンドロヴナがおいでになりました』ということで、もう一つの三度たたくのほうの合い図は『急用です』というわけなのでございます、これは旦那が御自分で幾度もまねをして、よく説明して教えてくだすったのでございます、こういうわけで世界じゅうにこの合い図を知っておるのは、わたくしと旦那と二人きりでございますから、旦那はちっとも疑ったり、声を立てたりなさらないで(旦那は声を立てることをひどく恐れていらっしゃいますので)、そっと扉をあけてくださいます、この合い図が今はドミトリイ・フョードロヴィッチに知れてしまっているのでございますよ」
「どうして知れてしまったんだ? 貴様が告げ口をしたのじゃないか? どうしてそんな大それたことをしたんだ?」
「恐ろしいからでございますよ、それにどうしてわたくしがあの人に隠しおおせるものですか? ドミトリイ・フョードロヴィッチは毎日のように、『貴様はおれをだましてるんじゃないか? 何かおれに隠してるんじゃないか? そんなことをしたら貴様の両足をたたき折ってやるから!』ておどしなさるじゃありませんか、そこでわたくしはあの人にこの秘密をお知らせしたのです、つまりそれで
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