ェ、それにしてもどうもいやな気がする……だが違うぞ、これでもない、ではアリョーシャと別れたためかしら、またあんな話をしたためかしら? もう何年も社会全体に対して沈黙を守って、物を言うのもたいぎだと思っていたのに、不意にあんな意味なことを並べ立てたためかもしれん』実際、それは若い無経験と若い虚栄心との、若い悔恨の情かもしれない。つまりアリョーシャのような小僧に対して、うまく自分の胸中を言い現わすことのできなかったいまいましさかもしれない。しかもイワンは、アリョーシャごとき人間に対しては肚の中で見くびっていたことは疑いもない事実である。もちろんそれもあるだろう、いや必ずあるに違いない。しかし、これもやはりそうでない。みんなそうでない。『胸が悪くなるほどくさくさするくせに、どんなにもがいても、とんと思い当たることができないのだ。もう考えないほうがいい……』
イワン・フョードロヴィッチは『もう考えまい』としてみたが、それはなんの役にも立たなかった。何よりも第一この憂愁は、どこか偶然的で、全然外部的な趣をそなえているために、なおいまいましく癪《しゃく》にさわる、そういう感じがするのであった。つ
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