度も躍起に兄のことばをさえぎろうとする衝動をかろうじて押えていたのであるが、突然、その場から飛び上がりざま口をきった。
「しかし……それはばかばかしい話ですよ!」と彼はまっかになって叫んだ、「兄さんの劇詩はイエスの賛美です、けっして非難じゃありません……、兄さんが期待した結果にはなっていません、それに誰が兄さんの自由観なんか信じるものですか! そんな、そんな風に自由というものを解釈していいものでしょうか! それがはたして正教の解釈でしょうか……それはローマです、いやローマも全体を尽くしたものではありません、それは嘘《うそ》です、それはカトリック教の中でもいちばん良くないものです、審問官や、エズイタ思想です!……それに兄さんのおっしゃる審問官のような奇怪な人物はとうていあり得るものではありません。自分の一身に引き受けた人類の罪とは、いったい何のことですか? 人類の幸福のために何かのろいを背負った、秘密の保有者とはいったいどんなものです? いつそんな人がありましたか? 僕らはエズイタ派のことは知っていますが、彼らはずいぶんひどいことを言われてますけれど、兄さんの考えてるようなものではあり
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