チたはずだからな。いや、ことによったら、それは九十になる老人の臨終《いまわ》のきわのうわごとかもしれない。幻想かもしれない。おまけに昨日火刑場で百人からの異教徒を焼き殺したため、まだ気が立ってるのかもしれないよ、しかし、僕にとっても、おまえにとっても、qui pro quo だろうが、でたらめな妄想だろうが、それはどうせ同じことじゃないかな、要するに、老人は自分の腹の中を、すっかり吐き出してしまいたかっただけの話だ。九十年のあいだ、だまって腹の中にしまっていたことを、すっかり吐き出してしまいたかっただけの話さ」
「で、囚人はやっぱり黙っているんですか? 相手の顔を見つめながら、一言も口をきかないのですか?」
「そりゃあ、そうなくっちゃならないよ、どんな場合でもね」と、イワンはまた笑いだした、「老人は自分から、キリストは昔言ってしまったこと以外には、何一つ言い足す権利を持っていないと断言しているじゃないか。なんなら、その中にローマン・カトリックの最も根本的な本質が含まれているといってもいいくらいだ、少なくとも僕の意見ではね。『もうおまえはいっさいのことを法王に任せてしまったのじゃないか、
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