ヒた。
「まず第一にだ、ロシア式に則《のっと》るためなのさ。こうした問題に対するロシア人の会話というものは必ず、このうえもなくばかげた風に運ばれるからな。第二には、やはりばかげているほど、事実に接近することになるからだ。愚鈍というやつは簡単でずるくはないが、知はどうもごまかしたり、隠れたりしたがる。賢明は卑劣漢だが、愚鈍はむきで正直者だ。僕は自暴自棄というところまで事を運んでしまったから、ばかばかしく見せれば見せるだけ、僕にとってはいよいよ都合がよくなってくるんだ」
「兄さんは何のために『世界を許容しない』のか、そのわけを話してくださるでしょうね?」とアリョーシャが言った。
「それはね、むろん説明するよ、何も秘密じゃないし、そのために話をここまで漕ぎつけたんだから。なあ、アリョーシャ、僕は何もおまえを堕落させて、その足場から引きおろそうとはけっして思わないよ、それどころか、もしかしたらおまえに治療してもらうつもりかもしれないんだよ」と不意にイワンは、まるで小さなおとなしい子供のようにほほえんだ。アリョーシャは今までに、一度として彼がこんな笑い方をするのを見たことがなかった。

   四
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