フ人の悪行や、彼らによって、流された血を贖《あがな》って、人間界に引き起こしたいっさいのことを単に許すばかりでなく、進んでそれを弁護するというんだ――まあ、すべてがそのとおりになるとしてもだね、それでも僕はこれを許容することができないんだ、いや許容しようとは思わないんだ! たとい平行線が一致して、それを自分の眼で見たとしても、自分で見て、『一致した』と言ったとしても、やはり許容しないよ。これが僕の本質なのさ、アリョーシャ、これが僕のテーゼなんだ。これだけはもう大まじめでおまえに打ち明けたんだよ。僕はこのおまえとの話を、わざとこのうえもないばかげた風に始めたけれど、とどのつまり告白というところまで漕ぎつけてしまったよ、だっておまえに必要なのはただそれだけなんだからな、おまえにとっては神様のことなんかどうだっていい、ただおまえの愛する兄貴が何によって生きているかということだけ知ればいいんだからね」
 イワンは不意に思いもかけないある特別の情をこめて、この長口舌を終わった。
「どうして兄さんは『このうえもなくばかげた風に』なんか始めたんです?」と、アリョーシャは物思わしげに兄を見つめながら尋
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