一人アリョーシャというロシアの少年に限っては、とても好きなんだ」
「うまいところへ持って来ましたねえ」アリョーシャは不意に笑いだした。
「さあ、言ってくれ、どっちから始めたものか、ひとつおまえに命令してもらおう、神から始めようかな? 神はあるから始めようかな、どうだい?」
「どちらからでも、お好きなほうから始めてください、『別の端』からだってかまわないでしょう。けど、兄さんは昨日お父さんの前で、神はないと言いきったじゃありませんか?」とアリョーシャは探るように兄を眺めた。
「僕は昨日、親父のとこで、食事のときあんなことを言ったのは、わざとおまえをからかうためだったんだよ。するとはたしておまえの眼が燃えだしたっけ。しかし今はおまえと意見を交換することをけっして避けはしないよ。で、僕はまじめに話してるんだ。僕はおまえと親密になりたいのだよ、アリョーシャ、僕には友だちがないから、ひとつどんなものか試してみたいのさ。それにもしかしたら神を認めるかもしれないんだよ」とイワンは笑いだした。「おまえにはちょっと意外だろう、え?」
「ええ、もちろん、もしもいま兄さんが冗談を言ってるんでなければ……」
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