別れる前に近づきになるのがいちばんいいようだ。僕はこの三か月のあいだおまえがどんなに僕を見ていたか、よく知ってるよ。おまえの眼の中には何か絶え間のない期待、とでもいうようなものがあった。それがどうにも我慢ができなくて、そのために僕はおまえに近づかなかったんだ。ところが、とうとうしまいになって、僕はおまえを尊敬するようになった。やつは相当にしっかりしてるぞというような気がしてきたんだ。いいかい、いま僕は笑ってるけど、言うことはまじめなんだよ。だって、おまえはしっかりした足つきで立ってるじゃないか? 僕が好きなのは、そういうしっかりした人間なんだ。その立場が何であろうと、またその当人が、おまえのような小僧っ子であってもさ。で、しまいには何か期待するようなおまえの眼つきが、ちっともいやでなくなった。いや、かえってその期待するような眼つきが好きになったんだよ……おまえもどういうわけか僕を好いててくれるようだな、アリョーシャ?」
「好きですとも、イワン。あなたのことをドミトリイ兄さんは、イワンのやつは墓だといってるけれど、僕のほうは、イワンは謎《なぞ》だというんです。今でも兄さんは僕にとって謎だ
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