た。
「ドミトリイ兄さんはもうじき帰るの?」とアリョーシャはできるだけ落ち着いて尋ねた。
スメルジャコフはゆっくりとベンチから立ち上がった。続いてマリヤも席を立った。
「ドミトリイ・パーヴロヴィッチのことなんか、わたしが知ってるわけがないじゃありませんか。もしあの人の見張りでもしていたのなら格別ですけど!」と、静かに一語一語を離して、ぞんざいな調子でスメルジャコフが答えた。
「いや、僕はただ知ってるかどうか、ちょっと聞いてみただけなんだよ」と、アリョーシャは言いわけをした。
「わたしはあの人の居どころなんかちっとも知りませんし、べつに知ろうとも思っていませんよ」
「でも、兄さんはたしかに、うちの出来事をなんでもおまえが兄さんに知らせることになってるって、僕に話したんだよ。それにアグラフェーナ・アレクサンドロヴナが来たら知らせるって、約束したそうじゃないか」
スメルジャコフは静かに眼をあげて、ふてぶてしく相手を眺めた。
「しかし、あなたは今どうしてここへはいっておいでになりました。だってね、門の戸は一時間ばかり前に、ちゃんと掛金《かけがね》をかけておいたんですよ」と、彼はじろじろとア
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