せんよ、マリヤさん」
「何事によらず、どうしてあなたはそんなに賢くていらっしゃるんでしょうね? ほんとにどうして何もかもよく御存じでいらっしゃるんでしょう?」女の声はいよいよ甘ったれた調子になってきた。
「小さい時分からあんな貧乏くじさえ引き当てなかったら、僕はまだまだいろんなことができたはずなんですよ。もっともっといろんなことを知っていたはずですよ! 僕のことをスメルジャシチャヤの腹から生まれた父なし児だから根性が曲がった悪党だなんかって言うやつには決闘を申しこんで、ピストルでどんとやっつけてやりたいですよ。モスクワでも面と向かって、そんな風に当てこすりを言われたことがありました。それもグリゴリイ・ワシーリエヴィッチのおかげで、この町から出て行った噂なんですよ。グリゴリイ・ワシーリエヴィッチは僕が自分の誕生をのろうからといって『おまえはあの女の子宮を破ったんだ』なんてとがめるんです。まあ、子宮は子宮でいいとして、僕はこんな世の中へなんか出て来ずに済むものなら、まだ胎《はら》の中にいるうちに自殺してしまいたかったくらいですよ。よく市場なんかでぶしつけ千万にも、あの女は雀の巣のような頭を
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