「わたし、詩ならどんなのでも大好きよ、うまくできてさえいれば……」と女の声が話を続けた。「どうして続きを歌わないの?」
 男の声がまた歌いだした。

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世にたぐいなきよきひとよ
すごさせたまえ、すこやかに
みめぐみたまえ、ああ神よ!
いとしきひとと、このわれを
いとしきひとと、このわれを
いとしきひとと、このわれを
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「前のときのほうがよかったわね」と女の声が言った、「あのときはあなた、『いとしきひとよ、すこやかに』って歌ったでしょう。あのほうが優しくっていいわ。今日はきっとお忘れになったのね」
「詩なんてばかばかしいもんでさあ」とスメルジャコフは吐き出すように言った。
「あら、そんなことないわ、わたし、詩が大好きなのよ」
「詩を作ったりするなんて、全くばかげきったこってすよ。まあ、考えて御覧なさい、一体全体、韻《いん》を踏んで話をする人が世の中にありますかね? またたとい政府《おかみ》の言いつけであろうと、韻を踏んで話をすることにでもなったら、われわれは言いたいと思うことも満足には言えやしませんからねえ。詩なんて大事なものじゃありま
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