ただきたいの、悪く思わないでいただきたいの。わたしはいつもあの子を大目に見ていますの、だってそりゃ本当に利口な子なんですものね――そうお思いになりません? 今もこんなことを申しますの――『あの人はわたしの幼馴染《おさななじみ》よ――おまけにいちばんまじめなお友だちなのよ。それなのにわたしは? ……』あの子はこういうことにかけては、たいへんにまじめで、記憶も確かなのです。けれども、何よりも感心なのは、あのことばなんですの。本当に思いがけないことを、ひょいひょいと言いだすんですからね。たとえば、ついこのあいだも梅の木のことでおもしろい話がございますわ。あの子のごく小さい時分のこと、家の庭に一本の梅の木がありましたの。今でもやはりあるんですから、別に、何も過去のことにしてお話しすることなんかありませんわね。アレクセイさん、梅の木は人間と違って、長いあいだ変わらないものですわねえ、あの子は言いますの、『お母さん、わたしあの梅を夢のように覚えてるわ』って。――つまり『うめ[#「うめ」に傍点]をゆめ[#「ゆめ」に傍点]のように』と言うのですけれど、言い方はもう少し違っていました。だって、なんだかご
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