そのお母さんは気ちがいときて、涙っぽい女で気ちがいなんでございますよ! こういうわけでございますから、この二百ルーブルがあれば、女中も雇えますし、ねえ、アレクセイさま、可愛い者どもの療治にかかることもできるし、女学生をペテルブルグへやることもできるんでございますよ。牛肉も買えるし、みんなに食べ物のぐあいもよくすることができますので。ああ、しかし、これも、空想です!」
アリョーシャは彼にこうした幸福を与えることができて、また彼がこの幸福を受けることを承諾したので、喜ばずにはおられなかった。
「待ってください、アレクセイさん、待ってください」二等大尉はまたもや、ふっと脳裡に浮かんできた空想に駆られて、われを忘れたように早口にしゃべりだした、「ねえ、あなた、わたくしとイリューシャの空想は、今すぐ実現できるかもしれませんよ。小さな馬と幌馬車《ほろばしゃ》を買って、あの子がぜひとも黒駒《くろ》にしてくれと申しますから、黒駒《くろ》を買うことにして、一昨日、計画したように、ここを立つんでございます。K県にはわたくしの知り合いの弁護士、幼な友だちがいますが、ある確かな人を通して聞いたのでは、もしわ
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