屈のかなったためしはないじゃありませんか?』なんかと、まぜ返し始めたんですよ。『全く、そのとおりだ、ワルワーラさん、わしのすることが理屈にかなうはずはないよ』と言って、その場を濁しときましたよ。その日の暮れがたに、わたくしは野郎を連れて散歩に出かけました。ちょっとお断わりしておきますが、わたしはそれまで毎晩あの子をつれて、今あなたとこうして歩いていると同じ道を、散歩に連れ出していたんですよ。家の木戸から、あの道の籬《まがき》のそばに、たった一つ淋しそうにころがっているあの、すてきに大きな石のところまで行くんです。あの石のところから牧場が始まるんでございますが、閑静な見晴らしのいいところでございますよ。いつものとおり、わたくしは、イリューシャの手を取って歩いておりました。あれの手はまことに小さな手で、指なぞ細くって、冷とうございますんで、なにしろ、あれは胸の病気があるもんでございますから。ところが、不意に、あの子が、『父ちゃん、父ちゃん――』と言いだします。わたくしが、『なんだい?』と言いながらよく見ると、あれの眼が光ってるじゃありませんか。『父ちゃん、あのときね、父ちゃん、ひどい目にあ
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