つけるか、さもなければ戸をあけるかしなければいけません。なにしろ、お宅の空気は新鮮でないのですからね』とおっしゃるんですよ。しかも誰にきいても、皆そう言うじゃありませんか! いったい、あの人たちに、私の空気が、どうだったんでしょう? 死人の臭いよりはましじゃありませんか! だから、わたし言ってやりますの、『わたしはあなたがたの空気を濁したりなんかしませんよ。わたしは靴を注文して、よそへ行ってしまいます』って。まあ、ね、自分の母親をそうとがめないでおくれ! ニコライさん、いったい、わたしがお気に入らなかったんですの? わたしのせめての楽しみは、イリューシカが学校から帰って、わたしを可愛がってくれることですの。昨日も林檎《りんご》を持って帰ってくれましたよ。どうか許しておくれ、母さんを許しておくれ、わたしは一人ぼっちの寂しい身の上です。いったい、なんだって、みんなわたしの空気がそんなにいやになったのでしょう?」
と言って、哀れな狂女は、いきなり声をあげてすすり泣きをし始めた。涙はとめどなく流れるのであった。二等大尉はまっしぐらに妻の方へ駆け寄った。
「母ちゃんよ、母ちゃん、およしよ、およ
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