が、これはベンチと椅子をつなぎ合わして仕立てたものであった。まん中の窓のそばにある、飾り気のない、不細工な、木造りの四角のテーブルは、その片隅から移されたものらしかった。かびの生えたような青い小さなガラスを四枚張った小さな窓は、三つとも、いずれもどんよりと曇ったうえに、ぴったり閉めきってあるので、部屋の中はかなり息苦しく、それほど明るくはなかった。テーブルの上には食べ残された卵子の目玉焼きのはいっている焼き鍋や、食いさしのパンや、底のほうにほんのちょっぴり残っている地上の幸福[#「地上の幸福」に傍点](ウォトカ)の小びんなどが載っていた。
 左側の寝台に近い椅子には、更紗《サラサ》の着物を着た品のいい女が坐っていた。顔はひどく痩せていて黄色く、いちじるしく落ちこんだ頬は、一目見ただけでもその女が病気だということを表わしていた。しかし、何よりもアリョーシャの心を打ったのは、このあわれな婦人のまなざしであった。ひどく物問いたげな、しかも、それと同時に、おそろしく高慢なまなざしであった。婦人はまだ口を出さずに、主人公がアリョーシャと話し合っている間じゅう、大きな鳶色《とびいろ》の眼を高慢らし
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