んなに、兄さんというお友だちを失うのが残念だとおっしゃっても、やはり兄さんの出立が嬉しいと、当人に面と向かって言ってらっしゃるようなものですよ……」もう全く息を切らしながら、アリョーシャが言った。彼はテーブルのそばに突っ立ったまま、腰をかけようともしなかった。
「いったいあなたは何を言ってらっしゃるんですの。わたし、わかりませんわ……」
「そう、僕自身でもよくわからないんです……僕はふっと、そんな気がしたんです、もちろん、こんなことを言うのは、よくないってことは僕も知っていますが、やはり、それでも、すっかり言ってしまいましょう」アリョーシャは相変わらず、とぎれがちな震え声でことばを続けた。
「ふっと、そんな気がしたというのは、あなたはドミトリイ兄さんを……最初から、……ちょっとも愛していらっしゃらなかったのかもしれないし、……兄さんだって、やはり、あなたを、少しも愛していなかったのではないかしら……そもそもの初めから、……ただ尊敬しているだけだと、そう思ったんですよ。全く僕はどうして今こんな大胆なことが言えるのか、われながら不思議なくらいですが、しかし、誰か一人くらい本当のことを言う人
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