エと狙ったんだよ。だって君はカラマゾフじゃないの、カラマゾフじゃないの?」と子供らは笑いながら叫んだ、「さあみんな一時にやるんだぞ、やれ!」すると、六つの石が同時に群れの中から飛んで出た。そのなかの一つが向こうの子供の頭に当った。彼はばったり倒れたが、すぐにまた跳《は》ね起きて、死にものぐるいに応戦を始めた。両方から絶え間のない戦いが続けられた。見ると、こっちの子供らのかくしにも、用意の石がいっぱいにつめてあった。
「みんな何をするんだ! 恥ずかしくないのかえ! 六人で一人の者にかかっていったら、あの子を殺してしまうじゃないの!」アリョーシャは叫んだ。
彼はおどり出て、身をもって溝川の向こうの少年をかばおうとして、飛んで来る石に向かって突っ立った。三人の子供はちょっとのあいだ、投げるのを控えた。
「だって、あいつから先に始めたんだもの!」赤いシャツを着た少年が、腹を立てて、子供らしい声でどなった、「あいつは卑怯《ひきょう》なやつだ。さっきクラソトキンをナイフで切りつけて、血を出したんですよ。クラソトキンはいやだと言って、先生に言いつけなかったけれど、あんなやつ、ひどい目に合わしてやれ
前へ
次へ
全844ページ中514ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ドストエフスキー フィヨードル・ミハイロヴィチ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング