ヘミーチャと結婚するだろうか? おまえ昨日あの女のところへ行ったろう……」
「あの人はどんなことがあっても兄さんを見すてないでしょうよ」
「そのとおりだ、ああいう優しいお嬢さんがたは、あいつのような極道者や悪党を好くもんだ! わしに言わせれば、あんな顔色の悪いお嬢さんというものは、やくざな代物だ、普通じゃないんだからな……ああ! もしも、わしにあいつの若さと、あの年ごろのわしの顔があったら(なぜといって、二十八時代のわしは、あいつより男ぶりがよかったからな)、それこそ、わしもあいつと同じくらいには、女を泣かせてみせるんだが、畜生め! とにかく、グルーシェンカは手に入れさせはせんぞ、手に入れさせるものか……あんなやつ、へしつぶしてくれるわだ!」
最後のことばとともに、彼はまたすさまじいけんまくになってきた。
「おまえももう帰れよ、ここにおったところで、今はなんの用事もありはせん」と彼は鋭い調子で言いきった。
アリョーシャは暇《いとま》を告げるために彼に近づいて、父の肩に接吻した。
「なんだってそんなことをするんだ?」と老人はいささか驚いた様子で、「また会えるじゃないか、それとももう会
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