、」と言って、アリョーシャは、三カペイカほどのフランスパンを取って、法衣のポケットに入れた、「それにお父さんもコニャクはあがらないほうがいいでしょう」と彼は父の顔をのぞきこみながら、おずおずと言った。
「おまえの言うとおりだ。気をいらいらさせるばかりで、静かな気持にしてくれない。しかし、ほんの一杯きりだからな、……わしはちょっと戸棚から出してくる……」
彼は鍵を取り出して、戸棚をあけ、杯へ一つついで飲み干すと、また戸棚に鍵をかけて、それを元のポケットへしまいこんだ。
「もうたくさんだ、一杯ぐらいでは、くたばりはせん」
「そら、お父さんはずっと人が好くなりましたよ」とアリョーシャはほほえんだ。
「ふむ! わしはコニャクを飲まんでもおまえが好きだよ。しかし、相手が悪党だったら、わしも悪党になるんだ。イワンはチェルマーシニャへ行かんが、――いったい、どういうわけだろう? もしグルーシェンカが来たとき、わしがあれに大金をやりゃせんかと、探ろうとしているんだ。どいつもこいつも悪党だ! それにわしはイワンというやつがさっぱりわからん。まるでわからん。どうしてあんなやつが生まれたのかしら? あいつ
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