ナある。しかし一瞬の後またもや同じように静かな、幸福そうなほほえみを浮かべるのであった。彼はゆるゆる手紙を封筒へ納めてから、十字を切って、横になった。すると胸さわぎは急にぱったりとやんでしまった。『主よ、さきほどの人たちすべてをあわれみたまえ、あの不幸な、荒れ狂う人たちを救いたまえ、あの人たちを正しい道に導きたまえ、すべての道はあなたの御手のうちにあります。あなたの道をもってあの人たちを救いたまえ、主よ、あなたは愛でいらせられます、あの人たちすべてに喜びを授けたまわらんことを!』アリョーシャはこうつぶやきながら十字を切ると、おだやかな眠りにおちていくのであった。
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 第四篇 破裂


   一 フェラポント長老

 朝まだき、まだ夜のあけないうちにアリョーシャは起こされた。長老は眼をさますと、床を離れて安楽椅子にかけたいと言いだしたが、しかも非常な衰えを感じていた。意識は全く確かで、顔にはかなり疲労の色が浮かんでいたが、晴れ晴れして、ほとんど喜ばしそうにさえもうかがわれた。眼つきは楽しげに愛想よく人をさし招くかのようであった。
「ひょっとしたら、今日一日の寿命がないのか
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