ですから、だって、あなたは、あんな長い着物を着てらっしゃるんですもの……わたし今でも、それを思うと体じゅうがぞっとしますわ、ですから、はいっていらしても、しばらくはわたしの顔をちっとも御覧にならないで、お母様の方か、窓の方を御覧になってくださいましな……』
『とうとう、わたしあなたに恋ぶみを書いてしまいましたわ、まあ、ほんとになんということをしてしまったのでしょう! アリョーシャ、わたしを軽蔑《けいべつ》しないでちょうだい、もしあたしたいへん悪いことをして、あなたを苦しめているようでしたら、どうぞお許しくださいまし、わたしのたぶん永久に滅びてしまった名誉の秘密は、今あなたの手の中にあるのです』
『わたし今日はきっと泣きますわ、さよなら、恐ろしい[#「恐ろしい」に傍点]再会の時まで、リーズ』
『二伸、アリョーシャ、ただね、きっと、きっと、きっといらしてちょうだいね! リーズ』
 アリョーシャは驚愕《きょうがく》をもって読み終わった。そしてもう一度読み返してしばらく考えていたが、不意に静かな楽しそうなほほえみを漏らした。彼はぎくりと身震いをした。そのほほえみが彼には罪悪のように思われたの
前へ 次へ
全844ページ中469ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ドストエフスキー フィヨードル・ミハイロヴィチ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング