マたいてやったのに、ひっぱたいて!」
 彼女はアリョーシャの前で、自分を押えつけることができなかった。あるいは抑制しようとしなかったのかもしれない。
「あんなやつは笞《むち》でひっぱたいてやってもあきたりないわ、処刑台《だい》へのせて、首切り役を使って、大ぜいの前で……!」
 アリョーシャは扉のほうへ後ずさりした。
「だけど、まあ!」と突然、彼女は手を打って叫んだ、「あの人が! ほんとにあの人がそれほど恥知らずな、不人情な人間になりさがったものだろうか? だって、あの人は、あの恐ろしい、永久にのろってものろい足りない、あの日の出来事を話して聞かせたんだもの! 『お嬢様、あなただってその器量を売りにいらしたじゃあありませんか』だって! あの女は知ってるんだわ! アレクセイ・フョードロヴィッチ、あなたの兄さんは悪党ですよ」
 アリョーシャは何か言いたかったが、言うべきことばが見いだせなかった。彼の胸は痛いほど締めつけられた。
「帰ってください、アレクセイ・フョードロヴィッチ! わたしは恥ずかしい、わたしは恐ろしい! あす……後生ですから、いらしてちょうだいね、どうぞわたしを悪く思わないでね
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