ヘ子供のような眼つきをして、何かしら子供のように喜んでいる様子であった。実際、彼女はさも嬉しそうにテーブルへ近づいたが、その様子はちょうど、今にも何か嬉しいことがあるだろうと信じきって、子供のような好奇心をいだきながら、じりじりして待ち受けるというような風であった。彼女の眼眸《まなざし》には人の心を浮き立たせるようなところがあった――アリョーシャはそれを感得した。なおそのうえ、彼にはとても理解することができなかったけれど、おそらく無意識のうちにはそれとなく感じていたに違いない、あるものがあった。それは女の肉体の動作が柔らかくしなやかで、猫のように静かなことであった。そのくせ、彼女は力に満ち溢《あふ》れた体躯《たいく》を持っていた。ショールのかげには幅の広いむっちりした肩や、はちきれそうに盛り上がった、処女のそれのような乳房が感じられた。ことによったら、この体は後日ミロのヴィーナスの形を思わせるかもしれない。もっとも、それはその誇張された釣り合いの中にも感ぜられる。ロシア女性美の鑑識家はグルーシェンカを見て、かような的確な予想を発表することができるであろう。つまり、この溌剌《はつらつ》た
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